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現代人も権威(者)には弱い? 21世紀版 Milgram実験

もし、あなたが、誰かから「隣室にいる見ず知らずの他人に、450ボルトの電気ショックを与える、そこのスイッチを押してください」という指示を与えられたとしたら、どうしますか? 黙って指示に従いますか? それとも断りますか??

常識的に考えますと、おそらく、ほとんどの方は断るでしょう。 でも、その時にあなたが置かれた状況次第では、その答えも変わって来るかも知れません。

参考記事:http://news.bbc.co.uk/1/hi/health/7791278.stm


【ミルグラム実験(Milgram experiment)とは?】

1961年、社会心理学者であったスタンレイ・ミルグラム(Stanley Milgram)は、同年、ナチスのホロコーストの指揮をとったと言われるアドルフ・アイヒマンの裁判が行われた際、アイヒマンの「上の命令に従っただけ。自分に責任は無い」という弁解の正当性についての可能性を確かめるために、ある有名な実験を思いつきました。 それが「ミルグラム実験」と呼ばれているものです(「アイヒマン実験」と言われる事もあります)

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                        スタンレイ・ミルグラムさん

「人間は、“ある状況下”にて非道徳的な(非人道的な)命令を与えられた場合、どのような判断をするのか? 理性に欠けた判断をするものなのか?」― それを調べるため、ミリグラムが行った実験と言うのは、以下の様なものでした;

1961年に、イェール大学にて数か月に渡り行われた実験は、白衣を着込んだ「権威者」(実験者)が、被験者たちに≪苦痛を伴う電気ショック≫を隣室にいる見ず知らずの他人に与えるよう、指示する、というものでした。

<以下、wikiより引用>

実験協力者には、この実験が参加者を「生徒」役と「教師」役に分けて行う、学習における罰の効果を測定するものだと説明された。各実験協力者はくじ引きで「教師」(実はこの実験の真の被験者)とされ、ペアを組む別の実験協力者(実は役者が演じるサクラ)が「生徒」(あるいは「犠牲者」)となった。クジには二つとも「教師」と書かれており、サクラの実験協力者はくじを開けないまま本来の被験者に引かせ、被験者が確実に「教師役」をさせるようにしていた。

実験の内容

被験者たちはあらかじめ「体験」として45ボルトの電気ショックを受け、「生徒」の受ける痛みを体験させられる。次に「教師」と「生徒」は別の部屋に分けられ、インターフォンを通じてお互いの声のみが聞こえる状況下に置かれた。そしてこの実験の肝とも言うべき部分は被験者には武器で脅されるといった物理的なプレッシャーは全くないことである。

                      milgram3.jpg
                      E が「権威者」の実験者
                      S が「教師役」の被験者
                      A が別室の「生徒役(犠牲者)」のサクラ  

「教師」はまず二つの対になる単語リストを読み上げる。その後、単語の一方のみを読み上げ、対応する単語を4択で質問する。「生徒」は4つのボタンのうち、答えの番号のボタンを押す。「生徒」が正解すると、「教師」は次の単語リストに移る。「生徒」が間違えると、「教師」は「生徒」に電気ショックを流すよう指示を受けた。また電圧は最初は45ボルトで、「生徒」が一問間違えるごとに15ボルトずつ電圧の強さを上げていくよう指示された。

    milgram2.jpg       milgram.jpg       milgram5.jpg
    ショック送電器       15ボルトごとに電圧が上がっていくスイッチ      実験中の様子


ここで、被験者は「生徒」に電圧が付加されていると信じ込まされるが、実際には電圧は付加されていない。しかし各電圧の強さに応じ、あらかじめ録音された「『生徒』が苦痛を訴える声」がインターフォンから流された。電圧をあげるにつれて段々苦痛のアクションが大きくなっていった。また電気ショックの機械の前面には、200ボルトのところに「非常に強い」、375ボルトのところに「危険」などと表示されている。

1. 75ボルトになると、不快感をつぶやく。
2. 120ボルトになると、大声で苦痛を訴える
3. 135ボルトになると、うめき声をあげる
4. 150ボルトになると、絶叫する。
5. 180ボルトになると、「痛くてたまらない」と叫ぶ。
6. 270ボルトになると、苦悶の金切声を上げる。
7. 300ボルトになると、壁を叩いて実験中止を求める。
8. 315ボルトになると、壁を叩いて実験を降りると叫ぶ。
9. 330ボルトになると、無反応になる。

被験者が実験の続行を拒否しようとする意思を示した場合、白衣を着た権威のある博士らしき男が感情を全く乱さない超然とした態度で次のように通告した。

1. 続行して ください。
2. この実験は、あなたに続行して いただかなくては。
3. あなたに続行して いただく事が絶対に必要なのです。
4. 迷うことはありません、あなたは続けるべき です。

四度目の通告がなされた後も、依然として被験者が実験の中止を希望した場合、その時点で実験は中止された。さもなくば、最大ボルト数として設定されていた450ボルトの電圧(通常は死に至る危険があるとされる電圧)が三度続けて流されるまで実験は続けられた。
<引用終わり>
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%AB%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0%E5%AE%9F%E9%A8%93


これは、あくまでも設定であり、この実験で実際に誰かが電気ショックを受けることはありませんでしたが、被験者には、あたかも「隣室で、電気ショックを受けて苦しんでいる人の叫びや、実験を中止して欲しいという懇願する声」だけが聞こえるようになっていました。
そして、実験が進むにつれて、被験者は、隣室の人の安否を気遣い、このまま実験を続けるべきかどうか、迷い始め、白衣の「権威者」(実験者)に相談し、判断を仰ぎます。「権威者」は、被験者の不安をよそに、更なる“拷問”を続けるようにと指示を繰り返すのです。

結果、約65%の被験者たちが、最大ボルテージであった450ボルトのボタンを押したそうです、隣室から聞こえる悲痛な叫びと実験中止を懇願する声にも拘わらず・・・。


【あれから人々の意識は変化したのか? 現代版 ミルグラム実験】

このミルグラム実験のアップデート版が、2006年にカリフォルニアのサンタ クララ大学にて、心理学者ジェリー・バーガーの元で行われたそうです。
ミルグラムによる最初の実験から40年以上が経過した現代、人々の道徳や倫理に対する意識は、果たして変化しているのか? を検証するのが目的であったようです。

ただし、公正を期するために、有名なミルグラム実験について少しでも知っている被験者は、2006年の実験からは完全に外されて行われたようです。
また、今回の実験では、「権威者」(実験者)が、実験中に何度か被験者に対して「いつ実験を中止しても、構いませんよ」という言葉をかける、というオリジナルの実験では行われなかった試みもなされたそうです。

この2006年の実験の結果は、実験に参加した被験者たちのおよそ70%が、150ボルト以上のボタンを押すという判断をしたそうです。 これは、オリジナルのミルグラム実験の結果の82%という数字と、ほぼ変わらないという結果に値するようです。

ちなみに、バーガー教授によりますと「少しずつ、徐々にボルテージを上げていくという段階を踏んで行くことで、被験者のメンタリティーもそれと連動するように、変化していく」のだそうです。

こちらは、2009年に行われた同様の実験の様子のドキュメンタリー(youtube)
http://www.youtube.com/watch?v=BcvSNg0HZwk



【特殊な権力・状況は、人の理性をも狂わす? スタンフォード監獄実験(Stanford Prison Experiment)】

これは、ミルグラム実験から派生した実験で、1971年にアメリカのスタンフォード大学の心理学者、フィリップ・ジンバルドー(Phillip Zimbardo)によって行われました。

                      milgram8.jpg
                      フィリップ・ジンバルドーさん

この実験では、集められた24人のボランティア学生を、ランダムに「看守役」と「囚人役」とに分け、衣装なども用意して、各々役になりきって2週間行動するように、という指示が与えられました。 舞台は、スタンフォード大学内の地下施設です。

さて、実験開始から3日も経たない頃から、参加者たちのストレスに著しい変化が見られるようになったそうです。 看守たちは、徐々に虐待性を現わし ― 性的な虐待を加えたり、非人道的な命令を出したり ― はじめたそうです。 あまりの酷さに、当初の実験期間の2週間が6日間に短縮され、実験終了日を迎える前に5人の「囚人」を釈放させなければ、ならない程であったようです。

「看守役」として、この実験に参加したジンバルドー教授も「気が付いたら、自分自身がこの実験に入り込んでしまっていた。 そのせいで、他の看守たちによる囚人への虐待が始まった時点でこの実験を中止することすら忘れてしまった」と、いかに自分がこの異質の環境・状況に飲み込まれてしまっていたか、を振り返っています。

スタンフォード監獄実験:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%89%E7%9B%A3%E7%8D%84%E5%AE%9F%E9%A8%93

Stanford prison experiment(Youtube):http://www.youtube.com/watch?v=rmwSC5fS40w&feature=related
                  milgram6.jpg


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

数年前、イラク、バグダッドのAbu Ghraibにて、若いアメリカ兵たちが、笑いながらイラクの捕虜を虐待しているところの写真が撮られ、世界に流されたことを記憶されている方も多いかと思います。

この時の事について、追求された若い米国兵たちは、「上官の指示に従ったまで」と弁解しました。
しかし、例の写真の笑顔を見る限りでは、やむなく従ったようには、とても見えませんでした。

                       milgram7.jpg


また、「権威(者)」とは別に、「peer pressure」(仲間からのプレッシャー)というものもあります。
これは、集団による“イジメ”に見られるように「みんながやってるから・・」という理由で、良くない事とは分かりながらも、イジメなどに加担してしまう、というものです。

ミルグラム実験で、被験者が判断に悩んだ時、白衣の「権威者」に、どうするべきか? の指示を仰ぐ時点で、被験者は「権威者」に屈しているのと同時に、自分の責任の放棄(転嫁?)もしているのかも知れません。

何か悪い行動をしてしまった時の、「(権威者、上司 etc の)指示に従っただけ」とか「みんながやっているから」、などという弁解は、間違っている「権威者」や「仲間」に立ち向かって行くより、遥かに「楽」で、便利な言い訳なのかも知れません。

「権威(者)」よりの命令であれば、非人道的な指示にすら屈してしまう、人間の弱さは、昔も今もあまり変わってはいないようですね。


                     milgram10.jpg
                        “「権威」を疑ってみること! 
                          これは 命令です”



2010年08月09日 | 洗脳 | トラックバック(0)件 |
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