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思考を読み取る装置

脳の表面に脳波信号を読み取るセンサーを取り付けることにより、頭の中で「言葉」を思い浮かべるだけで、それを音声言語や文字言語に変換してくれる装置の研究が進んでいるようです。
このシステムは、例えば、事故や病気などにより言語障害(舌や口が上手く動かせないため、言葉が思うように話せない、声が出せない、など)や全身麻痺などを患う人たちなどにとっての、新たなるコミュニケーション手段となるのではないか、と注目を集めているようです。

参考記事:
'Mind-Reading Machine' Turns Thought To Words


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このシステムを研究、開発中のユタ大学のバイオエンジニア、Bradley Greger教授率いる研究チームが行った実験では、まず小さな16個の電極が付いているボタン大のグリッドを二つ、癲癇(てんかん)の患者さんの脳の“言語をつかさどる”部分(脳の表面)に取り付けた後、患者さんに「はい」「いいえ」「熱い」「寒い」「お腹がへった」「のどが渇いた」「こんにちは」「さようなら」などの単語10個を繰り返し読んでもらい、その時に電極から送られてくる“それぞれの単語を読んだ時に流れる信号”のパターンをコンピューターに記録させたそうです。
(ちなみに、この癲癇の患者さんは、以前癲癇の治療のための手術を受けたことがあり、頭蓋骨の一部分が取り除かれたままになっていたため、今回の実験のためにわざわざ頭蓋骨に穴を開けなければならないという手間(!)が省けたそうです)

mind5.jpg  mind4.jpg
Greger教授  脳表面に取り付けられた電極



次に、患者さんに、それらの単語をコンピューターに対して「話しかけて」もらいます。 すると、コンピューターは、前もって記録されてあった「単語の信号サンプル」と患者さんがコンピューターに向けて「話しかけた」時に脳波に生じる信号とを照らし合わせ、患者さんが発した言葉が何であったかを分析するそうです。

この実験では、76~90%の確率で、コンピューターは「言葉」と「脳波」(信号)を正しく一致させることに成功したそうです。 コンピューターは、患者さんが単語を読み上げた時に発せられた脳波からの信号を拾うこと以外、他のサポートは一切使用されなかったそうです。

言葉として声に出しても出さなくても、また頭の中である言葉を想っただけでも、脳波は同じ信号を流すという可能性が高いと分析するGreger教授と研究チームは、将来的にはこのシステムにボイス・ボックスを組み込むことで、個人の頭の中で考えている言葉がそのまま「言葉(言語)」として発せられるようになる、と期待しているようです。

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また、研究チームは、このシステムにはまだまだ改良の余地があるとしながらも、数年後には“Locked-in”と呼ばれる症状(モンテ・クリスト症候群、閉じ込め症候群とも呼ばれます)を持つ人々のコミュニケーション手段の一つにもなるのではないか? と期待を寄せているようです。

《Locked-in症候群とは: 意識や精神の状態が正常であるのにもかかわらず、動くことも話すこともできず(無動無言)、眼の開閉と眼球の上下運動のみが可能な状態であり、そのため意志の伝達は眼の動きとまばたきによってのみなされる。すなわち自発運動ができず、意識が鍵をかけて閉じ込められた(Locked-in)状態なのである。
 脳に血液を送る動脈には、大脳の大部分に分布する内頸動脈系と、脳幹部・小脳・後頭部にいく脳底動脈とがある。Locked-in症候群は、脳底動脈の異常により起こる。大部分は血栓による血流遮断(脳梗塞)によるが、出血や腫瘍、動脈瘤によることも稀にみられる》
http://www.furano.ne.jp/utsumi/hanasi/16.html より《》引用させていただきました。

また、ゆくゆくはこのシステムをワイヤレス化し、ボイス・ボックスを介することで、脳卒中、病気や怪我、“Locked-in”症候群などで「話す」能力を失ってしまった人たちに「言葉」を与えてあげることが出来るとも考えられているようです。(現時点では、わずかな手の動きや、目の動きや瞬きなどに頼ったコミュニケーションが主流のようです。 ALS(筋委縮性側索硬化症、運動ニューロン疾患)を持つS.ホーキング博士の取っているコミュニケーション手段もその一種だそうです)

「彼ら(言語障害などを患っている人たち)から、30語でも、40語でも引き出してあげる事が出来れば、彼らの生活は大分違ったものになってくるはずです」
「このシステムの研究、開発はまだまだこれからです。 でも、手ごたえは確実に感じています。 もっと改良を重ねてゆき、Locked-in症候群の人たちも不自由なくコミュニケートが出来るようになるようなシステム開発の必要性を感じています」 と、Greger教授はインタビューで話しています。

今までにも、脳に直接電極を“埋め込む”事で体に麻痺症状を持つ患者さんの運動神経を刺激し、コンピューターのカーソルをコントロール出来るようにしたり、義手を動かす事が出来るようにすることは行われてきたそうですが、このような侵襲性の高い電極(ECoG、と呼ばれ半世紀前に開発されたもの)を、繊細な言語野に使用するのは、危険過ぎるとして、今回のような実験は行われてこなかったそうです。
(ちなみに、ドキュメンタリー番組などで目にすることの多い、頭蓋骨の表面や頭皮に取り付けるタイプの物は、EEGと呼ばれるそうです)

しかし、先頃ECoGをさらに小型化させた「micoroECoG」と云うものが実用化されるようになりました。これは、従来の埋め込み式のものと違い低侵襲性で、ただペタンっと貼り付けるだけで脳波の微妙な測定、読み取りが可能になったため、今回のような実験にも安心して使用できる物となっているのだそうです。

Greger教授は「このmicroECoG(電極)を使用して、さらに大きなグリッドを開発し脳に装着すれば、膨大なデータを脳から引き出すことも可能になり、人間の思考をより正確に把握することが出来るようになるでしょう」と語っています。

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このような技術は、全身麻痺や言語障害などを患う人たちにとっては、朗報だと思います。 また、心理学者、臨床心理学者やその患者さんなどにもこの技術は有効に使われるようになるかも知れません。 日本でもHondaなどがBMI(Brain-Machine Interface:脳と機械を直接つないで相互に作用させるシステムのこと)技術の開発に取り組んでいるようですね。

       

このような技術がさらに発達し、人々の「思考」を完璧に読み取れるような装置が開発されるのも、時間の問題のような気がします。 そして、もしそのような装置が現実に実用化される場合は“悪用”されないように、慎重に、使用法を管理していかなくてはならないのでしょう。

極端な話かも知れませんが、“反テロ対策”や“社会の安全のために”という口実でこのような装置が一般に普及していく可能性も考えられます(裁判や警察の取り調べなどでは、意外と役立つかも知れませんが・・)。 個人が“何を考えているか”が簡単に読み取られてしまうようになると、例えば、頭の中でちょっとワルいことを想像しただけで「危険分子」とみなされ、警察などに連行されてしまう、、などと云う事も起こるかも知れません。 「思想警察」(Thought police)のご登場、となるのでしょうか。 おちおち「妄想」を愉しむことも出来なくなりますね。

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また、このシステムが「逆利用」される事も考えられます。 形態はわかりませんが、人間に装着されたセンサー(電極)を通じて、外部から脳にある刺激を与えることにより、個人の思想や感情、あるいは行動をコントロールすることも可能になるのかも知れません。(既に、アメリカなどでは(DARPAなども)軍事にもこの技術の応用を試みているようですね)


政治家さんたちや、その“背後に君臨する人たち”に、この「思考読み取り装置」を使ってみたくなりました。


                  mind16.jpg




2010年09月11日 | ニュース | トラックバック(0)件 |
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